えーそりゃもう必死で悩んでいる。
破天荒な両親の突飛もない行動に悩まされている。
腐れ縁の無遠慮な言動に悩まされている。
人生何度目かの、あまり胸を張って言えない恋慕に悩んでいる。
しかし、しかし。
それ以上に頭を痛めている問題があるんだよねえ。
……何度自分に問いかけたことだろう。
何コレ?
いつしか芽生えてしまった珍妙な力。
ワケ解んない。
こんな役に立ちそうにもない変テコな力に
一体何の意味があるっていうの――?
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TOPへ 「流れ落ちる調べに乗せて」は四人の主人公立ての、ザッピングストーリーです。 ――ごくごく普通の少女……たった一点を除いて。 ――呪われていると自嘲する、ちょっとヒネた講師。 ――気風の良い、妹と二人暮らしの若い人形師。 ――浮世離れした、裏側で生きる女。 そして、 ――遠い昔、異形を巡る戦いが引き起こした因縁。 彼らは時に主人公でありながら他の物語に脇役として顔を出すこともあるでしょう。 一瞬だけの交差もあれば、長く絡み合うことも。 主人公毎に用意された物語は、それぞれが独立した一本の話になっており、視点が切り替わることなく、あくまで主人公の立場にて物語を追い続けます。 あなたは物語の裏で絡み合う幾つもの因縁に気づくことが出来るでしょうか……? 物語は一本道ですが、ゲーム性と呼べるものがひとつだけ存在します。 各物語は、更に「起」「承」「転」「結」として四つに分けられ、つまり四×四。 四章四幕からなる十六本のシナリオが存在しています。 平行して読み進めるのか。 一本を通して読むのか。 誰の物語から入るのか。 一人を追いかけても、全ては埋まらない。 視点によっては全く違う表情を見せる登場人物達。 理由も判らず、突然降りかかる災厄。 全員の物語を知り、初めて解ける謎。 ――なお膨れ上がる違和感。 「知らない」まま読んだ時。 「知って」から読んだ時。 同じ物語だとしても違う顔を貴方の前に晒すでしょう。 「フルカラー」だとか「美麗CG」などという言葉からは程遠い代物になってしまいました。 登場人物に着色はされておらず、背景は写真加工。 しかしながら舞台設定にも助けれられ、物語を演出するに足る素材を揃えています。 BGMは全十八曲のオリジナル。 物語との一体感を第一の目的に据えて作られており、優しい音色を中心とした楽曲が物語を演出します。 物語重視の貴方。 和風伝奇好きの貴方。 多視点モノ好きの貴方。 心情描写にコダワリがある貴方。 新しい世界観のノベルをお求めの貴方。 散りばめられた伏線が収束していく快感を求める貴方。 どうぞ『流れ落ちる調べに乗せて』の世界にて、お待ちしております――。 TOPへ
四人の主人公達が織り成す、四つの物語。
これが、幕が上がる直前の彼等――。 第一章 役に立たない黄金球
私は悩んでいる。えーそりゃもう必死で悩んでいる。 破天荒な両親の突飛もない行動に悩まされている。 腐れ縁の無遠慮な言動に悩まされている。 人生何度目かの、あまり胸を張って言えない恋慕に悩んでいる。 しかし、しかし。 それ以上に頭を痛めている問題があるんだよねえ。 ……何度自分に問いかけたことだろう。 何コレ? いつしか芽生えてしまった珍妙な力。 ワケ解んない。 こんな役に立ちそうにもない変テコな力に 一体何の意味があるっていうの――? 彼女は力の謎を追いつつも、仲間と共に学び、遊び、恋もしながら青春を謳歌する。 しかし、講師や幼馴染が抱えているらしい問題が、やがて平穏に生きていた筈の皐月の身にも忍び寄ってくる……。 普通の人間は主人公たりえないのか? 不幸を背負わない人間は他人に何かを語れないのか? 本当の絆とは――? 第二章 されどいつも貴方の傍に
何の為に生きている。何の為に生き抜いてきた。 穏やかに巡る時の中、淡々と日々を浪費していく。 これでいい。 このままでいい。 ふとしたきっかけで顔を出す「呪い」にさえ耐える事が出来たなら――。 時の流れに身を任せ、緩々と生きていける。 何事にも深く関わらないまま。 彼のそうした姿勢は、自身が「呪い」と呼ぶ、おかしな現象に見舞われることに起因しているらしい。 そんな彼だが、ある日、町で十歳位の娘を見捨てる事が出来ずに拾って来てしまう。 何やら物騒な集団に追われているらしい娘を救うべく、行動を起こすが……。 罪を背負った人間が救われる術はあるのか? 過去を拭いきれぬ男が前を向く、その時とは――? 第三章 歯車仕立ての運命譚
やれやれ、あの口先野郎は懲りるっつー言葉を学ばねえ。一々俺を巻き込みやがって。 馬鹿やりてえなら一人でやりやがれってんだ。 おっと――すっかり忘れてた。 締め切りまで余裕がねえ。 卸問屋の親父、少しでも足が出やがると鬼の形相で怒鳴り込んできやがるからな。 遅れを盾に値切られても面白くねえ。 ちょいと気合入れて、朝までにこの仕事は片付けちまうか。 さてと、あの道具は何処に仕舞ったかよ――と、あん? 何だこりゃ。 こんな奥に紙切れなんざ押し込んだ覚えはねえぞ? つうか……こりゃあ、親父の字じゃねえかよ。 けっ、珍しいモン見つけちまったな。 大事そうに仕舞われてたトコを見ると、これも人様には見せられない類か? どれ、何が書かれてるやら――。 両親を早くに亡くした彼は、妹の歌奈を養う為、父が生業としていたらしい人形作りの技術を身に付け、今やそれのみで生計を立てられる程になった。 だが、ある日――彼は自分の寿命が迫っている事を暗示する手記を見つけてしまう。 しかし正吾は悩まない。 自分よりも、たった一人の妹の未来が気になる。 大きな声では言えないが、妹は原因不明の奇病を患っているのだから――。 病弱な妹を持つ兄という、王道中の王道設定! 強い芯を持った男は、どんな困難に見舞われようと決して折れる事はないのだと、教えてくれる物語。 第四章 天を仰げば、すぐそこに
「この辺りで、物ノ怪を見たことはないか」尋ねると、人々は一様に困惑を顔に浮かべた。 どうやら、ここも外れの様子。 もし心当たりがあれば、晒されるのは困惑ではなく、驚愕だろう。 「真面目な顔して、からかうのは止めて下さいよう」 冗談を口にしているつもりなど毛頭無い。 本気で探している。 物ノ怪を。 その裏に連なる、ある人物を。 彼女はふらりと町にやってきて依頼、道行く人にそんな事を聞いて回っている。民俗学の調査ではなく、どうやら「物ノ怪」が彼女が探しているある人物の手掛かりになるらしい。 その内、路銀の尽きた彼女は、ふとした縁から町の喫茶店『楓亭』にて勤める事となる。 そして更なる奇縁が、ある存在と彼女を結びつけ……? 四つの物語の中では最も伝奇、バトル要素の濃いシナリオ。 個性の強い『あいつ』に振り回されながらも、確実に自分の傷を癒していく薙沙。 孤独の意味も、優しさの意味も、決してひとつじゃない――。 TOPへ
九狼神社を管理する神主の娘で、青春を謳歌するごくごく普通の少女……だったのだが?
私設学院、通称「私塾」にて歴史を担当する講師。
名瀬一刀流道場の一人娘で、師範代も務めている。
町の産業のひとつである人形作りを生業とする青年。
仁科正吾の妹。
白尽くめの服を着込んだ優男で、通称「講師いびり」
町一番の素封家、片倉家の令嬢。
とある目的で町に滞在している女性。
本名は近藤美代子。
イヌ
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